オフィス移転やリニューアルをすると、社内環境が改善されるなど多くのメリットがありますが、多額の費用がかかります。そこでおすすめしたいのが「補助金・助成金の活用」です。
補助金・助成金を活用することで、数百万円もの移転費用削減につながる場合もあります。この記事では、オフィス移転の際に利用できる補助金・助成金の種類や、注意点を解説します。ぜひ参考にしてオフィス移転を成功させましょう。
目次
オフィス移転の際は補助金の活用がおすすめ
オフィス移転のハードルを下げてくれる補助金・助成金ですが、申請することでたとえば以下のようなアイデアを実現できます。
- 最新設備の導入
最新のオフィス設備を導入できます。オフィス移転を機にIT化を進めれば、作業効率を上げることも可能です。
- 社内環境の改善
リモートワークに対応した設備や、快適な空間を保つ設備を取り入れることで、社内環境を改善できます。また、社員が働きやすいオフィスレイアウトに変更することも有効です。
- 内装のリニューアル
企業イメージやブランドのコンセプトに合わせ、内装をリニューアルしましょう。
ただし補助金・助成金の用途には制限があるため、どのようなことに利用できるのかあらかじめ確認が必要です。
補助金と助成金の違いとは?
「補助金」と「助成金」はどちらも国や自治体、商工会議所などから支給されるものですが、厳密には以下のような違いがあります。
・補助金
目的:ビジネス支援
支給額:数百万円以上のものが多い
審査:受からないことがある
・助成金
目的:労働環境の改善
支給額:数十万円~100万円のものが多い
審査:一定要件を満たせば支給される
補助金は助成金より支給額が多い半面、審査が厳しい傾向にあり、落ちてしまうこともあります。申請する際は丁寧に書類を作成するよう心がけましょう。
また、国や自治体が補助金・助成金を支給する目的には、「企業の成長を促進すること」「地域経済を活性化させること」といったものがあります。オフィス移転によって、これらの目的を達成できることをアピールすると良いでしょう。
オフィス移転に活用できる補助金・助成金を紹介
オフィス移転を支援する名目で行われている補助金・助成金は、以下の広島県のように、地方自治体が実施するものがほとんどです。
- 広島県:企業立地促進助成制度
デジタル系・テック系企業向けの助成金です。広島県内に移転する場合、最大1億円が支給されます。
このようにオフィス移転そのものを支援する補助金・助成金は少ないため、さまざまな補助金・助成金の趣旨を、自社のオフィス移転のケースに当てはめて申請することが必要です。オフィス移転に活用できる代表的な補助金・助成金をご紹介します。
ものづくり補助金
中小企業庁が実施する、中小企業・小規模事業者向けの補助金です。生産性の向上や、設備投資を支援する目的で支給されます。
機械装置・システム構築費、運搬費、外注費、専門家経費などが補助対象となります。
2024年3月に締め切られたものでは以下の類型があり、それぞれの支給額はこのように設定されていました。
・省力化(オーダーメイド)枠:100万円~8,000万円
・製品・サービス高付加価値化枠:100万円~2,500万円
・グローバル枠:100万円~3,000万円
事業承継・引継ぎ補助金
こちらも中小企業庁が実施する、中小企業・小規模事業者向けの補助金です。事業承継や事業再編、事業統合を契機に、経営革新などを行う企業に支給されます。
募集されている枠と支給額は、それぞれ以下のようになっています。
・経営革新枠:100万円~800万円
・専門家活用枠:50万円~600万円
・廃業・再チャレンジ枠:50万円~150万円
オフィス移転の場合は、場合によって「経営革新枠」と「廃業・再チャレンジ枠」が利用できるでしょう。
小規模事業者持続化補助金
全国商工会連合会が実施する、小規模事業者向けの補助金です。働き方改革に伴う制度変更や、販路開拓の取り組みに対して支給されます。
主な枠ごとの補助上限額は以下のようになっています。
・通常枠:50万円
・後継者支援枠:200万円
・創業枠:200万円
創業助成金
公益財団法人東京都中小企業振興公社が行っている、創業予定または創業5年未満の中小企業向けの助成金です。人件費や賃借料、広告費など、創業初期に必要な経費の一部が補助されます。支給額は100万円~400万円です。
東京都だけでなく、各都道府県でも同じような助成が多く実施されており、自社の自治体で募集している補助金を調べると良いでしょう。
補助金を活用する際の注意点
オフィス移転の際に補助金・助成金を活用できれば、大きなコストカットが期待できる一方、注意点も存在します。申請前に、注意事項もあわせて確認しておきましょう。
重複申請は基本的にできない
補助金・助成金は、制度ごとに支給要件や規約が定められています。なかでも、同じ事業を支援する補助金・助成金は、重複して受給できないことが多い点に注意してください。
特にオフィス移転を目的とする場合、複数の補助金・助成金を併用することは難しいでしょう。判断しづらい場合は、各制度の事務局や管轄省庁に問い合わせるのがおすすめです。
支給は後払いが多い
補助金・助成金は、オフィス移転が完了した後に支払われるケースがほとんどです。そのため、まず自社で移転費用を全額負担した後、補助金・助成金の支給を待つことになります。
後から移転費用の1/2や2/3といった補助分が支払われるとはいえ、最初は全額分の資金を用意しておかなければなりません。補助金・助成金をあてにし過ぎず、移転前後の運転資金が不足しないように注意が必要です。
申請手続きが複雑
補助金・助成金の支給を受けるためには、複雑な申請手続きをしなければなりません。各制度のホームページで公開されている補助要件を理解し、必要な書類を揃え、期日までに余裕をもって申請するといった、複数のステップをクリアする必要があり、手間も時間もかかります。
また、申請内容や提出書類にミスがあれば審査に落ちてしまい、資金が不足する可能性もあるでしょう。特に、このような制度の利用に慣れていない企業の場合、ミスが発生しやすいものです。
不安な場合は、申請を代行してくれるコンサルサービスの利用を検討してみましょう。リリカラは補助金・助成金の申請手続きのサポートなど、オフィス移転・リニューアルを実施する企業様をご支援します。
補助金・助成金でオフィス移転を成功へ導きましょう
オフィス移転には大きな費用がかかるため、二の足を踏んでいる経営者の方は多いかもしれません。しかし、補助金・助成金を適切に活用すれば、オフィス移転の費用負担が大幅に軽減されます。
移転にかかる費用の全体像や、移転後のランニングコスト、補助金・助成金が支給されるまでの期間などを総合的に計算し、予算内でオフィス移転を成功させましょう。