企業のオフィスにとってトイレは必要不可欠の存在ですが、オフィス移転やリニューアルの際、つい後回しにしてしまう場所かもしれません。しかし、トイレのデザインは、社員のモチベーションや企業イメージに影響を与える重要なものです。
この記事では、オフィスのトイレをリフォームするメリット、押さえておきたいポイント、工事を行う場合の注意点を解説します。
目次
企業がオフィスのトイレを快適にするメリット
オフィスリニューアルを実施する際は、ぜひトイレにも注目しましょう。トイレを適切にリフォームすると、企業にとってさまざまなメリットがあります。
社員の気分転換の場になる
きれいで使いやすいトイレは、社員のモチベーションを上げる効果が期待できます。多くの社員にとって、トイレは「一人になって落ち着けるスペース」であり、業務の合間に気分転換ができるスポットなのです。
トイレをリフォームする際は、社員がリフレッシュできる空間にすることを意識すると良いでしょう。
社外への印象がアップする
来社した外部の関係者は、意外にトイレもよく見ているものです。老朽化していたり内装が暗かったりするトイレでは、良い印象を与えられません。自社のトイレをきれいに保つことで、社外へのイメージアップを図ることが可能です。
使いやすさはもちろん、社内全体の統一感を意識し、企業イメージに合ったトイレデザインをおすすめします。
オフィスのトイレの種類
トイレリフォームにあたり、まずは自社のトイレの種類や数などを把握しておきましょう。
企業のトイレは、「事務所衛生基準規則」という法律で規定があります。たとえば、男性用と女性用に区別しなければなりません。また、社員数ごとに最低限のトイレの数が決められています。以下を参照し、この数を下回らないようにご注意ください。
性別 | トイレの数 |
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女性用トイレ | 20人以内ごとに1個以上 |
男性用トイレ | 小便器:30人以内ごとに1個以上 個室:60人以内ごとに1か所以上 |
トイレの種類
オフィスで主に利用されるトイレのタイプには、以下の4種類があります。この中から自社に合うものを選びましょう。
組み合わせトイレ | 安価でポピュラーなタイプ 便座・タンク・便器が分離している 掃除がしにくい デザイン性に欠ける |
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一体型トイレ | 便座・タンク・便器が一体となっている 掃除がしやすい 修理がしにくい |
タンクレストイレ | コンパクトで掃除しやすい 停電時には使えない 費用が高い |
システムトイレ | トイレ空間内にキャビネットや手洗器がある デザインが豊富 広いスペースが必要 費用が高い |
組み合わせトイレはパーツが別々になっているため、破損した場合はそのパーツだけを取り換えることができます。一方で、形が複雑なためお手入れしにくい点、デザインが乏しい点はデメリットです。
一体型トイレは隙間が少ないため、掃除しやすいことがメリットです。しかし、破損した場合は丸ごと取り換えなければなりません。
タンクレストイレはコンパクトなため掃除しやすく、狭い場所にも設置できる特徴があります。しかし、停電すると水が流れない点や、高額な点がデメリットです。
システムトイレは棚や手洗器のデザインも合わせて、おしゃれな空間を作れます。オフィスのデザイン性を重視する企業におすすめです。その一方、スペースを取る点や、費用が高額になる点に注意が必要です。
手洗器の種類
手洗器の種類もさまざまです。主なタイプは以下の4種類となります。
シンプルなタイプ | 省スペース デザインが豊富 |
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カウンター付き | カウンターに物を置ける デザインが豊富 |
キャビネット付き | 収納スペースがある 省スペース |
システムタイプ | システムトイレ用の手洗器 収納スペースがある デザインが豊富 |
洗面台と蛇口のみが設置されたシンプルなタイプは、スペースを取りません。陶器やステンレス、ガラスなど素材を選べる点もメリットです。
カウンター付きタイプは横に広く、ポーチやインテリアを置くことができます。こちらも陶器や木製、ステンレス製など、さまざまなデザインから選べます。
キャビネット付きタイプは、手洗器の下に収納スペースが付いており、備品や掃除用具をしまうことができます。コンパクトなものならスペースを取らずに設置可能です。
システムトイレに付ける手洗器はキャビネットに物を収納できますし、鏡や棚は豊富なデザインから選ぶことができます。
オフィストイレの内装デザインのポイント4つ
ここでは、オフィストイレのデザインで注意したいポイントをご紹介します。
清潔感を出す
清潔感のあるトイレであれば、使った人がリフレッシュできます。社員のモチベーションや社外への印象を上げるためにも、明るく清潔な空間になるようデザインしましょう。
たとえば、白を基調にしたり、木目調のデザインにしたりするのがおすすめです。間接照明やダウンライトを採用すると、落ち着いた空間を作ることができます。
また、機能面にもこだわってみましょう。壁や床には消臭機能のある素材がおすすめです。便器の開閉や蛇口を自動化すれば、手を触れないため清潔感を保つことができます。
掃除がしやすい内装材を使う
不特定多数の人が使用するトイレは汚れやすいため、掃除のしやすさも重要です。壁や床には掃除しやすい素材を選びましょう。
たとえば、撥水効果があり水や汚れを拭き取りやすい、タイルや塩化ビニールのクロスが適しています。機能性や予算を考慮して素材を決定してください。
女性の視点も取り入れる
女性にとってトイレは用を足すだけでなく、化粧や身だしなみを整える場所でもあります。トイレをデザインする際は女性の視点を取り入れましょう。
たとえば、ポーチを置ける広めのカウンターを希望する女性が多いようです。また、綿棒や除菌スプレーなどのアメニティを充実させると良いでしょう。
プライバシーの配慮
特に男性用トイレについて、小便器が多く個室が少ないケースが散見されます。しかし、個室を増やすことで、利用する人のプライバシーを守ることができます。
また、消音器(トイレ用擬音装置)を設置することで恥ずかしさが軽減されるでしょう。
トイレの内装リフォーム工事の注意点
トイレのリフォーム工事をすることになったら、デザインを決める前に以下のようなことにも注意しましょう。
自社ビルか賃貸かを確認
リフォームする事業所が自社ビルか賃貸かによって、工事の手順や、そもそも工事ができるかどうかが異なります。
自社ビルであれば、基本的に自由にトイレのリフォームが可能です。
一方で賃貸の場合は、まずトイレが契約面積に含まれているかを確認する必要があります。トイレが契約面積に含まれない場合、リフォームはできません。
トイレが契約面積に含まれる場合であっても、「リフォームできるのは壁・床・照明・ドアのみ」など制限される場合が多いでしょう。トイレリフォームの計画についてビルのオーナーに確認し、トラブルが起こらないように進める必要があります。
リフォームのタイミング
トイレをリフォームする時期の目安は、10~15年ごととされます。また、蛇口や鏡などの設備が老朽化していたり、タイルがぼろぼろになっていたりしたら、リフォームのタイミングといえるでしょう。
トイレの環境を定期的にチェックし、リフォームが必要かどうか判断することが重要です。
工事期間の目安
リフォーム期間の長さは、トイレの広さや工事の規模によって異なります。便器や手洗器をすべて取り換え、壁・床のタイルも全面的に張り替える大規模なリニューアルの場合は、1カ月ほどかかるでしょう。
しかし、壁・床・手洗器のみなど部分的なリフォームであれば、一般的に数週間で完了します。また、電気や水道設備の工事が必要な場合、さらに工事期間が長くなるため注意してください。
リリカラがオフィスリニューアルを支援
オフィス移転やリニューアルでは、トイレリフォームをはじめ多くの事項を検討・実施しなければなりません。そこでプロの手を借りると、スムーズに進めることができるでしょう。
リリカラは、企画デザインから工事管理まで、ワンストップでオフィスリニューアルを支援しています。30,000件以上の事例・実績をもとに、快適なオフィス空間を作るお手伝いをいたします。
企業さまのご要望やコンセプトに沿ってデザインを作成し、内装工事業者の選定などプロジェクトマネジメントも対応可能です。
理想のトイレデザインで企業のイメージアップを
トイレは業務を行う場所ではありませんが、モチベーションや企業イメージを左右する重要なスペースです。快適なトイレにリニューアルすることで、企業にとってプラスの効果が期待できます。
トイレリフォームの際は、予算や工期に気を付けつつ、トイレのタイプや数、使用する素材を厳選し、企業・従業員にとって理想のトイレを実現しましょう。