オフィスの内装制限とは?条件や内装デザイン・工事のポイントを紹介- コラム|オフィスデザイン・内装レイアウト設計、移転ならリリカラ株式会社

オフィスの内装制限とは?条件や内装デザイン・工事のポイントを紹介

オフィスの内装制限とは?条件や内装デザイン・工事のポイントを紹介

「オフィスの内装制限」とは、誰もがオフィスを安全に使用するため、法律で定められている制限のことです。オフィスの内装に使用する素材や設備について、条件や制限、緩和要件が設けられており、デザインの段階から考慮しなければなりません。 この記事では、オフィスデザインやオフィス移転を行う際に知っておきたい内装制限について解説します。

オフィスの内装制限は法律で決められている

オフィスの内装制限は、「建築基準法」と「消防法」という2つの法律によって定められています。これらが設けられている目的は、オフィスや商業施設などの利用者を火災の被害から守るためです。 オフィスの内装制限を守らなかった場合、罰則を受けることがありますので、十分に注意しましょう。

建築基準法の内装制限

建築基準法では、火災が発生した際に安全に避難できることを目的に、避難経路の確保や、延焼を防ぐ素材の使用などが求められます。 建築基準法におけるオフィスの内装制限を破った場合、以下の罰則が科されます。

  • 個人の場合:懲役3年以下または罰金300万円以下
  • 法人の代表者や従業員の場合:罰金1億円以下

出典:e-gov法令検索「建築基準法」

消防法の内装制限

消防法では、火災の予防や火災発生時の消火活動、人命救助を目的に、建築物の構造や設備に関する制限を設けています。たとえば、消火栓の設置や延焼しにくい素材の使用などです。 消防法におけるオフィスの内装制限を破った場合、以下の罰則が科されます。

  • 個人の場合:懲役1年以下または罰金100万円以下
  • 法人の代表者や従業員の場合:罰金3,000万円以下

出典:e-gov法令検索「消防法」

内装制限を受ける条件と制限内容

それでは、内装制限の具体的な条件と内容について見ていきましょう。 以下にお伝えするオフィスの内装制限では、壁や天井に「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の使用が義務付けられています。まずはこれらの素材について解説します。 不燃・準不燃・難燃という燃えにくい素材の基準は、国土交通省が定めたものです。

  • 不燃材料:加熱開始から20分後に燃え始める素材。コンクリート、れんが、瓦、陶磁器質タイルなど
  • 準不燃材料:加熱開始から10分後に燃え始める素材。厚さ9mm以上の石膏ボード、厚さ15mm以上の木毛セメント板など
  • 難燃材料:加熱開始から5分後に燃え始める素材。厚さ5.5mm以上の難燃合板、厚さ7mm以上の石膏ボードなど

出典:国土交通省「不燃材料を定める件」/ 同「準不燃材料を定める件」/ 同「難燃材料を定める件」

これらの制限をクリアしつつ理想のオフィス内装を叶えるために、どの素材を使用するか施工会社と相談しながら決めましょう。

⼤規模建築物

⼤規模建築物

大規模建築物とは、以下の条件に当てはまるものを指します。

(1)3階建て以上で延べ面積が500平方メートル超

(2)2階建てで延べ面積が1,000平方メートル超

(3)1階建て(平屋建て)で延べ面積が3,000平方メートル超

これらの建物では全ての部屋について、以下の制限が設けられています。

  • 居室の天井と壁(床から1.2m以下の部分は除く)に難燃以上の素材を使用すること
  • 通路や階段の天井と壁に準不燃以上の素材を使用すること

⽕気使⽤室があるオフィス

ガスコンロを設置した給湯室や調理室を持つオフィスは多いでしょう。これらの居室は「火気使用室」と呼ばれ、以下の条件に当てはまると、内装制限を受けます。

  • 住宅ではない建築物の中にある場合
  • 2階建て以上の住宅の最上階以外にある場合

オフィスは住宅ではないため、オフィスに火気使用室がある場合は、必ず内装制限を受けることになります。制限の内容は以下のとおりです。

  • 天井と壁に準不燃以上の素材を使用すること

また国土交通省では、準不燃材料と仕上げ材の組み合わせについても告示を出しており、これも順守する必要があります。

出典:国土交通省「準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める告示」

ただし、主要構造が耐火構造である場合は、この内装制限の対象外となります。

無窓居室があるオフィス

建築基準法の基準を満たす窓・開口部がない部屋を「無窓居室」といい、以下の条件に当てはまる無窓居室は、内装制限の対象となります。

  • 天井の高さが6m以下の場合
  • 居室の床面積が50平方メートル以上で、窓など開口部の面積が床面積の1/50未満である場合

この条件に当てはまる無窓居室は、以下のような制限を受けます。

  • 居室の天井と壁に準不燃以上の素材を使用すること
  • 通路や階段の天井と壁に準不燃以上の素材を使用すること

特殊建築物

特殊建築物とは、商業施設や公共施設など、特殊な用途で使用される建物のことで、一般的には以下のような施設を指します。

(1)劇場・映画館など

(2)病院・診療所・ホテル・旅館など

(3)百貨店・展示場・キャバレー・カフェなど

(4)地下に(1)~(3)の用途の居室がある施設

(5)自動車車庫・自動車修理工場・映画スタジオ・テレビスタジオなど

これらの施設も壁や天井、通路に使用する素材がこと細かに定められています。

しかし、一般的なオフィスは特殊建築物には該当しません。オフィスの内装を決める際は、「⼤規模建築物であるか」「⽕気使⽤室があるか」「無窓居室があるか」に留意しましょう。

内装制限を緩和するためのポイント

建築物の内装には制限が設けられていますが、一定の条件を満たせば制限を緩和することが可能です。たとえば壁材に木材を使いたい場合などは、この緩和策を講じることで可能となります。 ここでは、内装制限の緩和条件を1つずつ解説します。

天井の⾼さは6m以上

床面積が50平方メートル超で、窓などの開口部が床面積の1/50未満の無窓居室は、内装制限を受けます。 しかし、天井を6m以上まで高くすると、制限を緩和することができます。これは、天井が高いと煙が充満したり炎が燃え広がったりするのに時間がかかり、避難しやすいとみなされるためです。

梁・柱の⾯積は床の1/10以内

梁や柱などの木材の部分や照明器具のカバーなどの表面積が、壁面や天井面の面積の1/10を超える場合、内装制限の対象となります。 そのため、これらの面積を壁面や天井面の1/10以内に設計することで、制限を緩和することが可能です。 また、格子天井やよしず天井のように、木材が天井の一部を構成しているものは内装制限の対象となります。一方で、天井面に装飾として設置した角材は、内装制限を受けません。

壁・天井の防火性能を高める

壁と天井に難燃以上の素材を使うことが定められている大規模建築物については、天井に準不燃以上の素材を採用することで内装制限が緩和され、壁に木材などを使用できるようになります。 ただし、木材の施工方法も以下のように細かく決められているため、十分に注意しましょう。

  • 木材などの表面に、火の回りを助長する溝を作らないこと
  • 厚さ10mm未満の木材は、難燃材料に直接取り付けること
  • 厚さ10mm以上25mm未満の木材は、柱や難燃材料の壁に直接取り付けること

自動スプリンクラー設備や排煙設備を設置する

スプリンクラー オフィス

自動式消火設備と排煙設備を両方とも設けている部分は、内装制限の対象外となります。自動式消火設備とは、スプリンクラーや水噴霧消火設備、泡消火設備などを指します。

出典:福岡市「第9 内装制限」

リリカラは安全でおしゃれなオフィスを実現

オフィスリニューアルや移転で、デザインを検討中の企業様もいるのではないでしょうか。万が一火災が発生した時に従業員や来客の命を守るため、オフィスの内装制限を順守しなければなりません。違反した場合は懲役刑や罰金刑が科されることも覚えておきましょう。 リリカラでは豊富な知識と経験を持つスタッフが、安全性とコンプライアンスに留意しながら工事管理を行います。これまで8,000社を超えるお客様から、中長期的なパートナーとして選ばれており、内装制限をしっかりと押さえつつ、理想のオフィスデザインをご提案可能です。 デザインの際は、今回ご紹介した内装制限や国土交通大臣の認定を受けたさまざまな不燃・準不燃の壁材にも対応。安全性を確保しつつ、おしゃれなオフィスを叶えることができますので、オフィス移転・リニューアルをご検討のお客様はぜひご相談ください。

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